【ロケーション】EC物流の現場を学ぼうVol.01
EC物流の現場を学ぼうVol.01 今回は、「ロケーション」を学んでいきたいと思います。通販の発送代行、EC物流の現場にとってロケーションは物流品質、生産性の要と言えます。
ロケーション【location】 場所。位置。
保管された商品の保管場所を特定する場所(番地)
ロケーション管理の目的
EC物流の現場では管理する商品が小ロット、多品種であることが多い。加えて、BtoCへの発送がほとんどなので商品を1点、1点細かく管理することが求められます。ロケーション管理の目的は商品を効率的に適切に管理することです。入出庫・ピッキング作業などEC物流倉庫内の作業を効率化するためも利用されます。ロケーション管理をすることで、物品の所在が分かりやすくなり、商品や物品の知識が浅い新人の作業スタッフでも正確に作業ができるようになります。
ロケーション管理をすることで作業効率を上げることができ、熟練者の知識に頼るといった属人的な作業を最小化することができます。
①「フリーロケーション」
②「固定ロケーション」
③「ゾーンロケーション」
④「ダブルトランザクション」の4つの方法があります。
取り扱う物品や商品、保管スペースの広さ、形状や出荷頻度など用途・目的に合わせて適切な管理方法を選択することで、作業効率を向上させることができます。
①フリーロケーション
フリーロケーションでは、空いてるスペースに商品を保管・格納する方法です。
メリット
・空いているスペースを最大限利用できる
・保管効率をあげることができる。
・柔軟に格納・保管場所を変更することができます。
デメリット
・同じ商品が点在して保管されることがある。
・ピッキング効率が悪くなる懸念がある。
これをらを避けるため、ロケーション管理のシステム化が求められます。
基本的に通販物流の現場ではフリーロケーションが使われます場合が多いです。デメリットを軽減し、メリットを活かすためには、ロケーション管理のシステム化を図ることが必須になります。アナログ管理ではフリーロケーションを活かすことは出来ないと考えていいでしょう。
②固定ロケーション
固定ロケーションはあらかじめ決められている保管スペース・保管棚に格納する方式です。
メリット
・ロケーション番号に同一の商品が格納されているので
現物管理が容易。
・同じ商品が点在することがない。
デメリット
・商品・物品の数だけ保管スペースが必要になる。
・新商品など棚を新たに増やす必要がある。
・在庫の有無によらず保管スペースが必要になる。
・保管効率が悪くなる。
年間通して決まった商品を同じ定量で在庫しておく
必要がある場合などに適しています。
③ゾーンロケーション
ゾーンロケーションはフリーロケーションと固定ロケーションの中間の管理方法です。
特定のエリアを指定して類似部品や関連商品・物品群を集約し、そのエリア内ではフリーロケーションで商品・物品を管理します。自動倉庫との組み合わせで利用される場合が多いロケーション管理方法です。
④ダブルトランザクション
ダブルトランザクションはフリーロケーションと固定ロケーションを組み合わせてた管理する方法です。
ストックエリアとピッキングエリアとを分けて管理します。商品が大量に保管されていてピッキング効率が悪くなる場合に適します。
随時、ストックエリアからの補充作業が発生する
ストッエリア → 保管効率優先。 ピッキングエリア → 作業効率優先。
※両方のエリアにロケーション管理が必要
ルールは統一化する
同じスタッフが稼働する現場内はルールを統一する
ロケーション番号の付け方は現場・商材に応じて様々なやり方が考えられます。ただし、生産性という観点から考えると同じ現場内、少なくとも同じスタッフが稼働するエリアでは同じルールで統一しておくことが望ましいです。現場内にさまざまなルールがあると、作業するスタッフは混乱してしまい、習熟スピードが下がり生産性が上がりにくい状況になってしまいます。
フリーロケーションのルール①
ピンポイントに商品にたどり着く「探させない、迷わせない」ルール
・わかり易く目につく表記の位置 → 表記を探させない
・ロケは細分化する。原則として、1ロケ、1SKUが理想
フリーロケーションのルール②
感覚的に位置がイメージできれば歩行速度もあがる
イメージできるロケーション番号をルール化する
・表記する数字のそれぞれの意味を設定する。
・列・連・段から場所が連想できる。
・列、連=左から右へ 段=下から上へ。
フリーロケーションのルール③
・どこからでもわかる表記 大きく、カラー分け、向きなどの工夫
・JANコードは鳴きやすく 印刷の解像度などチェック
鳴けないJANは誤出荷のもとになります。
正確性とスピードの両方を追求する
・ルールが統一化されているか?
・迷わせない・探させない工夫がされているか?
・感覚的にイメージできるか?
・誰でも、どこからでも、わかる表記になっているか?
・細分化する ピンポイントで商品にたどり着くか?
・移動歩数を最小限なるように考えられているか?
ロケーションは優しさです。
探させない、迷わせない、ロケーションは細分化し誰でも商品にたどり着けることが大切です。 目次に戻る
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